
「旅程と費用」は昭和31年に発行された旅行案内書です。
昭和30年ころの全国の観光を主にした地域の情報が書かれています。
構成は、市政に基づき、人口や面積、交通案内から始まり、
市の位置、歴史、産業、観光地、特産などが紹介されます。
現在の旅行情報誌のようなものではなく、
地誌、風土記をともなった観光案内書といえるでしょう。
昭和の中期にあたる昭和30年ころの記録によって、
地域の資源を再発見することで、
参考になることは多いはずです。
この書籍に関する地域情報にご興味のある方は、
「お問合せ」からお問合せください。
案内書の巻末には広告が掲載され、多くは全国の宿で、
他にショッピングや観光箇所、交通機関などの広告です。
この広告の中に、「東京名所と名物の栞」があり、
本文と挿絵によるものです。
挿絵に書かれた一文を紹介します。
東京再発見としてお楽しみください。
「東京名所名物図絵」

「東京名所名物図絵」市川三郎作によるエッセイです。
「東京ほどよい所はない。
花の雲 鐘は上野が浅草か
と、春のかすみを揚莫に、上野の山の櫻狩り
から始まって、亀戸の藤、六義園のつつじ、さては
入谷の朝顔から、不忍の池の道の花、ホンと
上るは両国の大花大、大川端の月の出と、
お金のあるなしさえ気にかけなければ、食べ物
はうまし、人情は濃し、二時間も汽車に乗れ
ば、いてゆの里は海に山にお好み次第、度胸が
あるなら大相場を張るもよし、
風雅で、粋で、便利なところだ。
東都のれん会がひかえている
ので、みやけに迷う野暮
もない。
江戸の味なら、意装
なら、こうなくては
かなわぬと
人の言う」
という粋な名文名句が見事に表現され、
さすがに人気作家の片鱗を垣間見ることができます。
エッセイでもありますが、
コピー、ボディコピーでもあるようです。
市川三郎:脚本家、ラジオ作家で、
代表作は「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」など。
かって、脚本家・作家の向田邦子さんが、
森繁久彌氏から紹介を受けて市川氏に師事したことがありました。
備考
東都のれん会については、現代も名称はあり、
事務局へ「東京名所名物図絵」について
市川氏がどのように関わっていたかなどについて、
問い合わせをしましたが、
当時の状況を知る人もなく、
当時の会の運営状況も不明とのことでした。
参考文献:
「旅程と費用」
発行:財団法人 日本交通公社
発行日:昭和31年5月3日
*本著の「最初に」によれば、
大正8年に発刊され、戦後復刊後、
昭和31年2月11日までに
新しい市政による都市を集約したものです。
ただ、当時は沖縄は、まだ復帰前で、
沖縄県の掲載がされていません。
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