直木三十五の作法(3)
3. 人生・人間生活上の問題を織り交ぜる。
興味だけに依存せず、
「人生」や「人間生活上の問題」
を含むことも、
直木三十五の作法の特徴です。
娯楽性を提供しつつも、
物語の中に現実的な人生観や
人間の感情、社会問題を
巧みに織り交ぜています。
これにより、
ただの娯楽作品に留まらず、
読者に何かを考えさせ、
共感を呼び起こする効果を
生み出します。
例えば、貧困、愛、友情、欲望、
裏切りといったテーマは、
ただの表層的な物語の枠を超え、
読者が自身の人生や
社会に対する考え方を
深めるきっかけとなるでしょう。
表現は、
ただの型にはまった人物ではなく、
人間味あふれ、悩みや喜びを持つ
キャラクターを描き、
読者が感情移入することが狙いです。
また、
単なるフィクションに留まらず、
現実社会を反映する 社会問題や
人間の根本的な
悩みのテーマを設定し、
物語の中に反映させる
手法といえます。
小説作法(2)直木三十五

コメント