小説作法(3)永井荷風

永井荷風のイメージ ライティング

永井荷風の作法(1)
小説と雑談の類似性

永井荷風は小説を
「日常の雑談に等しいもの」とし、
日常生活の些細な出来事や噂話、
愚痴などが雑談の内容になるように、
些細な題材もまた
小説の題材になり得るとしています。

雑談にも「聞くに堪える話」と
「飽き飽きする話」があり、
浅はかな話や場に
そぐわない内容は退屈になり、
また、知識ある人の話や
戒めになるような話は、
自然と人に好まれるものになる
といいます。

小説も同じように
平凡な題材であっても、
話の内容や表現の工夫次第で、
読者を引き込むか、
逆に興味を失わせるかが
決まるとのこと。

小説を書くには、
ただ雑談を書き写すのではなく、
そこに技術や工夫を要する
という意味です。

小説は話題や日常的な出来事を
題材にしつつも、
平易でありながらも洗練され、
読む者に影響を与えるような
内容と表現力が
求められることを示しています。

*画像は永井荷風のイメージです。

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